力動感を生み出す敏速なストロークで描いた
全部私自牙の手で」と記しており、ルーべンスがダグニエルを取り巻くライオンの様々な姿態を写生によって描いたことがわかる。
ルーべンスの描いたライオンは、マクシミリアン公のために描いた(ライオン狩り)(1616-161昨頃、現在ミュンへン、アルテ・ビナコテーク蔵)制作のための研究によって生まれたと考えられている。この主題は、ヨーロッパ人のオリエンタリスム(東方趣味)を背景としている。ルーべンスは、生死を懸けた較いの真っただ中の人間や動物を、沸き返るような強い色彩と、力動感を生み出す敏速なストロークで描いた。