ヴェルノンのテラス

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ボナールは若い頃に、強いパターンと色彩で事物を象徴的にあらわすというゴーガンのアイディアの影響を受けた。ボナールと友人のエドウアルド・ヴユイヤールは静かな日常的場面の描写に、ルノワール風の印象主義と点描画法の叙情的な要素?とり入れた。そして個人的な生活を作品にあらわすことから「アンティミスト」と呼ばれるようになった。1920年に着手し1939年に加筆された《ヴェルノンのテラス》にもこの影留がはっきりとあらわれてい3。セーヌ流域にある自宅を描いたこの絵画は、複雑な空間構成がなされている。ボナールは劇的なまでに垂直で巨大な木の幹によって、前景の空間を広くあけている。そのため、この作品を見る者は、作品の各部分を個別に見ることができるし、秩序のある前後関係を感じとることができる。