レ・ローヴから見たサント=ヴィクトワール山(デ・ローヴから見たサント=ヴィクトワール山)

  後期印象派の巨匠ポール・セザンヌ晩年の代表作のひとつ『レ・ローヴから見たサント=ヴィクトワール山』。

f:id:tomoeeii:20180302114444j:plain

  本作は画家の故郷である南仏の小さな町エクス=アン=プロヴァンス(以下エクス)にそびえる岩山であり、セザンヌが生涯で手がけた風景画の中で最も頻繁に取り組んだ画題でもある≪サント=ヴィクトワール山≫を描いた作品である。

 

  1900年以降のセザンヌ最晩年期に制作されたサント=ヴィクトワール山を画題とした作品では、エクスの町の北方にある丘陵地帯≪レ・ローヴ(デ・ローヴ)≫の丘の頂上からの視点での制作に精力的に取り組んでおり(画家はレ・ローヴの丘の中流地帯にアトリエを建てており、現在までに本視点からの作品は7点確認されている)、本作はその代表的な作例のひとつである。