米海軍施設で発砲通報

  米首都ワシントンの海軍工廠で2日、発砲があったとの通報があった。その後の調べで無事が確認されたが、4日の独立記念日を前に過激組織「イスラム国」などのテロに警戒が高まる最中で、多数の警察車両が殺到し周辺が封鎖される緊迫した事態となった。

 海軍工廠では2013年9月に男が銃を乱射し、12人が死亡する事件があった。米メディアによると、構内にいた女性が2日朝、前回の事件と同じ建物で銃声が聞こえたと通報。地元警察は約3時間後に発砲はなかったと発表した。

 4日にはワシントンなど全米各地で独立記念日の祝賀行事が開かれる。イスラム国は最近、6月18日に始まったイスラム教ラマダン(断食月)中にテロを呼び掛ける声明を流し、中東・北アフリカやフランスなどでテロが相次いだ。このため、国家テロ対策センターなど米治安機関は連名で、全米の警察機関に警戒強化を通達していた。

 カーター国防長官は1日、「イスラム国はソーシャルメディアを通して、指揮・命令系統を必要とせずに事件を起こすことができる」と指摘。デンプシー統合参謀本部議長も、「イスラム国はラマダン中に攻撃を増やすよう求めており、高い警戒態勢を維持している」と語った。